フロー式の連続化学合成は、従来のバッチ式合成手法に比べ、廃棄物の大幅削減、安全性の向上、コスト削減等種々の利点を持っており、今後ファインケミカル等の化成品製造プロセスとして大きく期待されています。当チームでは、フロー合成用の触媒・反応開発を中心に研究を進めています。また、分離・精製を含めたプロセス全体を開発するため、産総研内外の研究者・技術者との連携も進めています。
フロー化学チームは、2017年4月に新設された研究チームです。合成化学・触媒化学分野の各種スキルを持つ研究者が集結しています。
島田 茂
研究テーマ
- フロー合成用触媒開発
- フロー合成用反応開発
- フロー合成用反応装置開発
フロー合成用触媒開発
フロー合成に用いられる触媒には、従来のバッチ式合成法とは異なる特徴が求められます。触媒を反応用カラムに充填し長時間連続使用するためには、触媒そのものの活性が長時間継続するとともに、触媒が反応媒体中に溶け出すこと(リーチング)を防ぐ必要があります。そのような特徴を持つ高活性で高選択的な触媒の開発を目指して研究を進めています
フロー合成用反応開発
連続フロー合成を効率的に達成するためには、各段階の反応でなるべく副生成物や共生成物などの発生をなくし、後段の反応に悪影響を与えないようにする必要があります。例えば、反応性の副生成物などは様々な副反応や触媒失活の原因となり、また、塩が共生成物として発生する場合は反応管の閉塞の原因となります。そのため、付加反応や転位反応など、原理的に共生成物が生じない反応や、反応に悪影響を与えない不活性な化合物しか生じない反応など、ターゲットとなる物質に合わせてフロー合成用の反応開発を行っています。
フロー合成用反応装置開発
連続フロー合成を効率的に進めるためには、専用の反応装置の開発も重要となります。産総研内外の研究者と連携して反応装置の開発も進めています。触媒・反応開発と反応装置開発を一緒に進めることにより、効率的なフロー合成システムの開発を目指しています。
その他の研究
上記のフロー合成に直結する研究の他、ケイ素化合物やビスマス化合物等の合成やこれらの化合物を触媒や反応剤等として用いる基盤研究も進めています。
メンバー
所属 | 氏名 | メールアドレス |
---|---|---|
研究チーム長 | 島田 茂 | s-shimada |
研究主幹 | 清水 政男 | m.shimizu |
主任研究員 | 小野澤 俊也 | s-onozawa |
兼務、(集積マイクロシステム研究センター 研究チーム長) |
井上 朋也 | inoue-tomoya |
研究員 | 市塚 知宏 | ichitsuka-t |
産総研特別研究員 | VENU SRINIVAS | |
産総研特別研究員 | 林 和史 | |
産総研特別研究員 | 鈴木 直人 | |
テクニカルスタッフ | 斉藤 佳織 | |
アシスタント | 宮本 小絵子 | |
産学官制度来所者 | 中條 哲夫 | |
産学官制度来所者 | 増田 光一郎 | |
産学官制度来所者 | 栗田 光二郎 | |
産学官制度来所者(RA) | WANG YAO |
- ※後ろに「@aist.go.jp」を付けて下さい。
研究成果