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200年にわたる謎に終止符、ガラスの基本単位の構造を決定

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター ヘテロ原子化学チーム 五十嵐 正安 主任研究員、山下 浩 主任研究員、フロー化学チーム 島田 茂 研究チーム長、同研究センター 佐藤 一彦 研究センター長は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトでガラスの基本単位であるオルトケイ酸の結晶作製に成功し、国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター 大原 高志 主任研究員と一般財団法人 総合科学研究機構 中性子科学センター 中尾 朗子 副主任研究員、茂吉 武人 研究員、花島 隆泰 研究員らの協力を得て、その構造を明らかにした。

オルトケイ酸は、19世紀前半に発見されて以来、さまざまな分析手法により組成や分子の形状までは分かっていたが、非常に不安定で単離することができないため詳細な分子構造は不明であった。今回、有機化学的手法を無機化合物のオルトケイ酸の合成に応用することで、不安定なオルトケイ酸を合成、結晶化させて、構造を解析した。オルトケイ酸はガラスに代表される無機ケイ素材料の基本単位構造であり、有機ケイ素材料の基本単位構造でもあるため、高機能・高性能ケイ素材料製造への貢献が期待される。

なお、本研究成果の詳細は、7月26日(現地時間)に英国の学術誌Nature Communicationsに掲載される。

詳細については、下記のリンクよりご覧いただけます。

プレスリリース:http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20170727/pr20170727.html