TEAM

フロー化学チームは、2018年からのNEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム「再構成可能なモジュール型単位操作の相互接続に基づいた医薬品製造用iFactory™の開発」および2019年からのNEDO研究開発プロジェクト「機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発」に関わる研究開発を中心に、機能性化学品の連続生産技術の開発に取り組んでいます。これまでのバッチ法による有機反応を連続フロー法へと変換するための反応・触媒の開発、触媒を用いた連続フロー式に適した反応器モジュールの開発や、有機合成の後工程プロセス(抽出・洗浄、濃縮、晶析、ろ過、乾燥等)の連続化・自動化に資する技術開発に取り組んでいます。

研究チーム長 甲村 長利(理学)

研究テーマ

  • 連続フロー法に適した反応・触媒開発(主担当:小野澤・小林・島田・甲村)
  • 連続フロー反応に適した高性能反応器モジュールの開発(主担当:小林・甲村)
  • 実験室レベルから一次スケールアップが可能な連続フロー反応条件の最適化(主担当:甲村・小林・山本)
  • 有機合成における後工程プロセスの連続化・自動化(主担当:甲村・山本)
  • ビスマス等へテロ原子を利用した反応開発(主担当:島田)



連続精密生産プロセス開発

機能性化学品の合成をバッチ法から「より完全な選択性を持つ固定化触媒を用いた“フロー精密合成”を基盤とした“連続精密生産プロセス”」へ置き換えるべく、革新的製造プロセスの基盤技術の確立を目指しています。フロー精密合成ならではの反応および高活性・高選択性のある固定化触媒の開発を行っています。また、見出されたフロー反応および新触媒を用いての実生産を視野に、スケールアップに対応した高性能反応器の開発も行っています。



機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発

機能性化学品の合成をバッチ法から連続フロー法へ置き換えるべく、革新的製造プロセスの基盤技術の確立を目指しています。連続フロー合成ならではの反応および高活性・高選択性のある固定化触媒の開発を行っています。また、見出されたフロー反応および新触媒を用いての実生産を視野に、スケールアップに対応した高性能反応器モジュールの開発も行っています。

連続フロー法に適した反応・触媒開発

機能性化学品の製造でよく用いられる5つの反応群(C-C結合生成、酸化、水素化、エステル化・アミド化、クロスカップリング)を基幹5反応と位置づけ、これらの連続フロー法に適した反応および触媒を開発しています。また、これらの連続フロー反応を連結して、一つの機能性化学品を合成していく試みも行っています。

連続フロー法に適した高性能反応器モジュールの開発

実験室レベルでの連続フロー反応の製造スケールから約50倍のスケールに一次スケールアップすることができる高性能な反応器モジュールの開発を行っています。反応によっては年100 kg程度の生産が可能です。また、この反応器を連結したときの課題を解決することで、より汎用性のある反応器

機能性化学品の連続生産技術の開発と社会実装(先進触媒拠点)

有機合成では反応の後工程プロセスとして、生成物の純度を高める精製工程(抽出洗浄、濃縮、晶析、ろ過、乾燥など)も重要です。これらの後工程プロセスの連続化が可能な装置群を導入し、反応から精製までの連続プロセスを確立し、製造における省エネルギー・廃棄物削減を達成するとともに、機能性化学品の製造プロセスの自動化を目指しています。企業の研究者と一緒に、機能性化学品の連続生産に関するプロセスの構築を行っています。

実験室レベルから一次スケールアップが可能な連続フロー反応条件の最適化

年100 kgの生産が可能な反応器モジュールを用いて連続フロー合成を行い、その温度や流速のコントロールをしながら生産条件を最適化します。1週間連続で原料を180 kg以上投入し、生成物の安定製造を行った実績があります。

有機合成における後工程プロセスの連続化・自動化

有機合成の後工程プロセスである抽出・洗浄、濃縮、晶析、ろ過、乾燥のそれぞれの単位操作を連続で行うことができる装置を1mキューブに備え、単位操作のみならず、単位操作間の連続化が可能な装置群です。機能性化学品の連続精製プロセスを構築し、将来的に後工程プロセスの自動化を目指します。

メンバー

  • 研究チーム長

    甲村 長利

  • 主任研究員

    島田 茂

  • 主任研究員

    小野澤 俊也

  • 主任研究員

    中住 友香

  • 研究員

    小林 貴範

  • 特定技術担当主幹

    山本 哲也

  • 産総研特別研究員

    田中 輝彦

  • テクニカルスタッフ

    小松﨑 真吾

  • テクニカルスタッフ

    髙石 順子

  • リサーチアシスタント

    深澤 敦

  • 派遣研究員

    斎藤 郁夫

  • 派遣研究員

    坂内 英彰

  • 派遣研究員

    馮 飛

  • 派遣研究員

    木村 武徳

  • 派遣研究員

    松澤 純

  • 派遣研究員

    飯村 洋一

  • 派遣研究員

    中野 清隆

  • 派遣研究員

    椿 卓也

  • 派遣研究員

    山下 麻依子

  • 派遣研究員

    青木 昂樹

  • 派遣研究員

    山村 綾

  • 派遣研究員

    川村 加恵

  • 派遣研究員

    貝澤 なつ恵

  • 産学官制度来所者

    中條 哲夫

研究成果

●論文 (2018- 国際誌)

(15)Kobayashi, K.; Komatsuzaki, S.; Onozawa, S.; Masuda, K.; Kobayashi, S.
“Aluminium-catalysed synthesis of aryl enol ethers from phenols and dimethyl ketals”
Org. Biomol. Chem. in press
DOI: 10.1039/D3OB01266B

(14)Kobayashi, K.; Masuda, K.; Feng, F.; Rashed, Md. N.; Sato, K.; Koumura, N.; Kobayashi, S.

“A Continuous-Flow Method for the Transformation from Amides to Nitriles Catalyzed by CeO2 in Acetonitrile”
Adv. Synth. Catal. 2023, 365, (10), 1618-1622.
DOI: 10.1002/adsc.202300266

(13) Masuda, K.; Chen, W.; Hayashi, K.; Shimada, S.; Onozawa, S.; Koumura, N.; Sato, K.; Kobayashi, S. Aerobic Dehydrogenative Coupling of Naphthols and Phenols with a Ru(OH)x /Al2O3 Catalyst under Continuous‐Flow Conditions. ChemistrySelect 2021, 6, 10106–10110. DOI: 10.1002/slct.202102938

(12) Masuda, K.; Okamoto, Y.; Onozawa, S.; Koumura, N.; Kobayashi, S. ” Development of highly efficient Friedel–Crafts alkylations with alcohols using heterogeneous catalysts under continuous-flow conditions”, RSC Adv. 2021, 11, 24424-24428. DOI: 10.1039/D1RA04005G

(11) Ichitsuka, T.; Komatsuzaki, S.; Masuda, K.; Koumura, N; Sato, K; Kobayashi, S. “Stereoretentive N-Arylation of Amino Acid Esters with Cyclohexanones Utilizing a Continuous-Flow System”, Chem. Eur. J. Early View. DOI: 10.1002/chem.202101439. Highlighted in Synfacts and OPRD.

(10) Rashed, Md. N.; Masuda, K.; Ichitsuka, T.; Koumura, N.; Sato, K.; Kobayashi, S. “Zirconium Oxide‐Catalyzed Direct Amidation of Unactivated Esters under Continuous‐Flow Conditions”, Adv. Synth. Catal. 2021, 363, 2529-2535. DOI: 10.1002/adsc.202001496. Selected as Very Important Publication (VIP)

(9) Ichitsuka, T.; Takahashi, I.; Koumura, N.; Sato, K.; Kobayashi, S. “Continuous Synthesis of Aryl Amines from Phenols Utilizing Integrated Packed‐Bed Flow Systems”, Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 15891-15896. DOI: 10.1002/anie.202005109

(8) Masuda, K.; Wang, Y.; Onozawa, S.; Shimada, S.; Koumura, N.; Sato, K.; Kobayashi, S. “Robust Organic Photosensitizers Immobilized on a Vinylimidazolium Functionalized Support for Singlet Oxygen Generation under Continuous-Flow Conditions”, Synlett 2020, 31, 497-501. DOI: 10.1055/s-0039-1691582

(7) Ichitsuka, T.; Suzuki, N.; Sairenji, M.; Koumura, N.; Onozawa, S.; Sato, K.; Kobayashi, S. “Readily Available Immobilized Pd Catalysts for Suzuki‐Miyaura Coupling under Continuous‐flow Conditions”, ChemCatChem 2019, 11, 2427-2431. DOI: 10.1002/cctc.201900085

(6) Aoyama, T.; Tashiro, K.; Hayakawa, M.; Shimada, S.; Ouchi, A. “Novel synthesis of 1,4-thiazin-2-one O-(tert-butyl) oximes and benzo[b][1,4]thiazin-2-one O-(tert-butyl) oximes in the presence of K2CO3/SiO2”, Tetrahedron Lett. 2019, 60, 1493-1497. DOI: 10.1016/j.tetlet.2019.04.053

(5) Yada, A.; Nagata, K.; Ando, Y.; Matsumura, T.; Ichinoseki, S.; Sato, K. “Machine Learning Approach for Prediction of Reaction Yield with Simulated Catalyst Parameters”, Chem. Lett. 2018, 47, 284-287. DOI: 10.1246/cl.171130

(4) Han, L.-B.; Mirzaei, F.; Shimada, S.; “Regio- and stereoselective addition of trans-Pt(TeAr)(SiMe3)(PEt3)2 to terminal alkynes leading to cis-[(Z)-β-trimethylsilylalkenyl]platinum(II) complexes”, Heteroatom Chem. 2018, 29, e21463. DOI: 10.1002/hc.21463

(3) Aoyama, T.; Tashiro, K.; Hayakawa, M.; Shimada, S.; Ouchi, A. “A simple and efficient method for the synthesis of 5,6-dihydropyrazin-2(1H)-one O-(tert-butyl)oximes, quinoxalin-2(1H)-one O-(tert-butyl)oximes and its derivatives”, Tetrahedron Lett. 2018, 59, 4116-4119. DOI: 10.1016/j.tetlet.2018.10.015

(2) Srinivas, V.; Nakajima, Y.; Sato, K.; Shimada, S. “Iridium-Catalyzed Hydrosilylation of Sulfur-containing Olefins”, Org. Lett. 2018, 20, 12-15. DOI: 10.1021/acs.orglett.7b02940

(1) Masuda, K.; Ichitsuka, T.; Koumura, N.; Sato, K.; Kobayashi, S. “Flow Fine Synthesis with Heterogeneous Catalysts”, Tetrahedron 2018, 74, 1705-1730. DOI: 10.1016/j.tet.2018.02.006

●プレス発表

「機能性化学品原料の連続合成法を開発ーフロー精密合成により廃棄物の少ない製造技術を確立ー」

市塚知宏、甲村長利、佐藤一彦、小林修 2020年7月13日:
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200713/pr20200713.html

「バッチ連続生産方式による医薬品製造設備の実用化を開始」-エネルギーの大幅削減が見込める検証結果を獲得-

NEDOが取り組む「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/テーマ設定型事業者連携スキーム」の一環で、現在のバッチ式製造法にかわり、連続合成法とバッチ式製造法を組み合わせたバッチ連続生産方式を採用した再構成可能なモジュール型の医薬品製造設備「iFactory®」(アイファクトリー)の開発を行っています。

2021年6月17日

https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210617/pr20210617.html

●特許

「ジアリールエーテル化合物の製造方法およびその方法に使用する装置」
小林貴範、増田光一郎、小野澤俊也
特願2023-137582

「ニトリル化合物の製造方法、ニトリル化合物の製造装置」
小林貴範、増田光一郎、甲村長利
特願2023-013818

「高光学純度な光学活性N – 芳香環化アミノ酸化合物の製造方法」市塚知宏、甲村長利、小松﨑真吾、佐藤一彦 特願2021-31947

「フェノール類から芳香族アミン化合物を製造する方法」市塚知宏、甲村長利、佐藤一彦 特願2019-216507