イベントレポート
第19回講演会 京都大学 山子 茂教授
講演会名 | 第19回講演会 京都大学 山子 茂教授 |
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開催日 | 2015.04.16 |
開催場所 | 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603室) |
参加人数 | 43名 |
概要 | ◆環状π共役分子の新しい有機化学 京都大学化学研究所 材料機能化学研究系 高分子制御合成領域 山子茂 教授 ベンゼン環が環状につながったπ共役分子であるシクロパラフェニレンの合成法開発に関してご講演にただいた。この構造は、カーボンナノチューブの最小構成単位に相当する分子でもあることから、基礎化学のみならず材料科学などの応用分野からも多大な興味を集めている分子といえる。しかし、シンプルな構造にもかかわらず歪んだ環状構造を形成することが難しいため、近年までその有効な合成法は見出されてこなかった。 山子グループでは、白金原子を各頂点に持つ四角形構造の四核白金錯体を前駆体として用いる、シクロパラフェニレンの新しい合成法を開発した。また、合成したシクロパラフェニレン類が強い蛍光を発することも見出した。本合成手法は自由度が高いため、3次元かご状分子や[4]シクロピレニレンなど多種多様な誘導体の合成にも応用可能であることも明らかとなった。本合成法は、今後新しい物質・材料科学分野のリード化合物を生み出す方法になるものと期待される。
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