イベントレポート

第20回講演会 東京大学 萩谷昌己教授

講演会名 第20回講演会 東京大学 萩谷昌己教授
開催日 2015.06.04
開催場所 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603室)
参加人数 42名
概要

◆分子コンピューティングからゲルコンピューティングへ—分子ロボティクスの周辺

東京大学情報理工学系研究科 萩谷昌己 教授

1994年のAdelmanによる先駆的研究から、DNAコンピューティング、DNAオリガミ、DNAロボットの一連の研究が展開されている。萩谷先生は、ほぼ同時期の1996年に「Mirai-Kaitaku Project: Hagiya Project」を立ち上げられ、DNAコンピューティング研究の発展に大きな貢献をされている。2012年からは、新学術領域「分子ロボティクス」の領域代表として、DNA をキーワードとする新しい学際研究領域を提案されている。当該領域では、感覚・知能・運動(アクチュエーション)の機能を備えた分子デバイスから成る自律的システムである分子ロボットの構築を目指して、アメーバ型とスライム型の二種類のプロトタイプ分子ロボットの開発を進めている。特に後者においては、ゲルのカプセルやビーズをセルとして集合させたセルオートマトン(ゲルオートマトン)により、ゲルをメディアとする分子コンピューティングの研究を進めている。今回は、ゲルオートマトンも含めて、新学術領域における研究を中心に分子ロボティクスに関して説明された。特に自律的な分子コンピューティングを、反応場を自律的に制御する技術と捉える見方についても紹介された。

図1