イベントレポート

第58回講演会 京都大学 村上正浩 教授

講演会名 第58回講演会 京都大学 村上正浩 教授
開催日 2018.02.16
開催場所 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603)
参加人数 39名
概要

光を駆動力として使う有機合成

京都大学大学院工学研究科 合成・生物化学専攻
村上正浩 教授

演者らの研究グループは、光(太陽光)のエネルギーを合成プロセスの駆動力として利用すること に挑んでいる。熱反応は熱力学的により安定な方向、つまり発エネルギー的な方向にしか進まない。

一方光反応では、熱力学的にアップヒルの、つまり吸エネルギー的な分子変換が可能である。すなわち、光エネルギーを化学エネルギーとして生成物に蓄えることができる。 蓄えた化学エネルギーを次の熱反応の駆動力として利用することにより、 全体としても吸エネルギー的な分子変換を行うことが可能になる。このような考えに基づき、炭素ー炭素結合の生成によって二酸化炭素を有機化合部に固定化する反応などの開発が達成された。

本講演会では、二酸化炭素固定化反応に加え、最近開発された光エネルギーを駆動力とする数々の有機化合物の分子変換反応について紹介がなされた。