イベントレポート

第63回講演会 物質・材料研究機構(NIMS)中西和嘉主任研究員、 分子科学研究所(IMS) 椴山儀恵准教授

講演会名 第63回講演会 物質・材料研究機構(NIMS)中西和嘉主任研究員、 分子科学研究所(IMS) 椴山儀恵准教授
開催日 2018.12.07
開催場所 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603)
参加人数 32名
概要

◆ナノカーレース:単分子構造・運動制御への挑戦
国立研究開発法人 物質・材料研究機構  (NIMS)中西和嘉  主任研究員

2017年4月28日から29日にかけて、フランス、トゥールーズにて開催された、世界初の分子の車による国際レース「ナノカーレース」に関して、このレースに日本チームのリーダーを務めたNIMSの中西和嘉主任研究員がレースとその研究背景を紹介した。レースで用いられたナノカーは、ビフェニル骨格を基本とする単一分子であり、その構造変化を駆動力とする動きのメカニズム詳細に関して議論が展開された。講演を通じて、中西主任研究員がこれまで挑んできた、「分子の動きを理解・統制する研究を躍進させるための科学的な挑戦」を伺うことが出来た。

 

 

◆ハロゲン結合を活用する有機分子変換システム創成への挑戦
分子科学研究所 (IMS)椴山儀恵 准教授

新しい結合様式として知られるハロゲン結合を利用した、新反応開発に関してご講演をいただいた。ハロゲン結合を利用することにより、金属を用いない環境調和性の高いルイス酸触媒開発された経緯について議論がなされた。椴山准教授は、自身の専門である合成化学を足掛かりに、有機化学、計算化学、高分子化学、超分子化学、材料化学、錯体化学など、様々な化学分野を融合しながら研究を展開しており、研究者としてさらに躍進し続ける姿が印象的な講演であった。