イベントレポート

第64回講演会 同志社大学 人見穣教授、産総研 佐山和弘首席研究員

講演会名 第64回講演会 同志社大学 人見穣教授、産総研 佐山和弘首席研究員
開催日 2019.02.22
開催場所 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603)
参加人数 40名
概要

◆使える選択酸化触媒を目指して」

同志社大学理工学部 機能分子・生命化学科 JSTさきがけ「革新的触媒の科学と創生」領域
人見 穣 教授

自然界では金属酵素が金属オキソ種を用いて、高難度の選択酸化を行っている。 演者らは、自然の触媒設計の戦略を抽出し、使える実用的な酸化錯体触媒を創製すべく研究を行ってきた。
演者らが開発した単核鉄錯体を用いれば基質のなかの弱いC–H結合を選択的に酸化することができる。自分自身を酸化せずに外部基質を酸化する酵素の戦略は?ラジカルを発生させずに金属オキソ種を発生させる戦略は?酸化活性はどのようにコントロールすることができるのか?使える錯体触媒はいつできるのか講演した。

 

 

 

◆「光電極触媒を用いた有用化学品製造」

産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 佐山 和弘 首席研究員

太陽エネルギーの有効利用技術として、光電気化学的な水分解水素製造が盛んに研究されている。しかし、その実用化をするためには、水素製造コストは化石資源並にする必要があり、それまでにはかなり時間がかかる。
演者らは、カソードで水素製造するとともに、光アノード上で酸化的な有用化学品(過酸化水素、次亜塩素酸,過硫酸など)を製造することで経済性を成り立たせる戦略をとっており、その検討例を報告した。
また、酸化的な有機合成反応に関しても紹介した。この研究では(光)電極触媒の開発が非常に重要であり、その将来性について議論した。