第106回講演会　UC Berkeley 塚本 翔大 博士研究員、岡山大学 西原康師 教授

◆Electron Transfer in Catalysis, Material Synthesis,and Energy Storage

UC Berkeley　塚本翔大博士研究員

講師自らの研究経歴を触媒・材料・エネルギー分野に波及可能な「電子移動化学の追究」と包括し、シカゴ大学博士論文研究での6π環化を伴う脱水素型光触媒反応と、ハーバード大学博士研究員としてのレドックスフロー電池用有機イオン・有機金属イオンの開発について講演いただいた。新たな多環性（含窒素）芳香族化合物の触媒的合成法を確立した後は、二次電池応用の有機イオンについて課題を見出し、構造展開による安定性向上につなげた研究を進めており、有機合成化学技術を基盤とした横断的な展開を行っている様を紹介いただいた。質疑も活発に行われ、実りある講演となった。

◆クロスカップリングを利用するπ共役系分子の精密合成と有機半導体材料への応用

岡山大学異分野基礎科学研究所　西原康師教授

岡山大学西原先生より、様々な多置換オレフィン類や特異な電子構造を有し、骨格内にチオフェン環を導入したフェナセン型分子の設計、クロスカップリング反応を利用した効率的な合成法の開発、および合成した分子の物性について紹介を行った。