イベントレポート

第107回講演会 京都大学 南條 毅 助教、東京農工大学 小田木 陽 助教

講演会名 第107回講演会 京都大学 南條 毅 助教、東京農工大学 小田木 陽 助教
開催日 2024.02.16
開催場所 産総研中央事業所 5 群 第 4 会議室( 6603 室)
参加人数 19 名
概要

◆非天然型ペプチドの合成を志向した新規反応開発

京都大学大学院薬学研究科薬品分子化学分野 南條毅助教

・講演者が助教着任以降取り組んできた、新たなペプチド修飾法の開発研究について紹介頂いた。特にN-クロロ化を起点とする低反応性側鎖・主鎖修飾法の開発は、過去アクセス困難だった修飾形式にアプローチ出来る優れた手法・戦略になり得る。非天然構造を含むペプチドは医薬品をはじめとして、今後ますますの応用が期待できる分子群であり、これに対する合成化学分野起点の新たな展開を期待させる講演であった。

◆脱芳香族化反応を活用した高度官能基化天然物の合成研究

東京農工大学工学研究院生命機能科学部門 小田木陽助教

・講演者が助教着任以降取り組んできた、フェノールと超原子化ヨウ素試薬が進行させる脱芳香化反応と連続的な骨格構築・骨格転位を開拓し、それを用いて達成・進行中の複雑アルカロイドに対する全合成研究を紹介頂いた。複雑化合物・生物活性分子の合成・化学変換を革新するアプローチとはどういうものかという観点からも、触媒化学の貢献可能性について多くの示唆を与え、活発な議論をもたらした講演となった。