イベントレポート

第117回講演会 東京科学大学 横井俊之教授、北海道大学 永木愛一郎教授

講演会名 第117回講演会 東京科学大学 横井俊之教授、北海道大学 永木愛一郎教授
開催日 2025.01.21
開催場所 産総研中央事業所5群 第4会議室(6603室)
参加人数 28名
概要

化学産業の脱化石資源化に資するゼオライト触媒プロセス

<講師>東京科学大学 総合研究院 ナノ空間触媒研究ユニット  横井俊之 教授

今回、ゼオライトの研究で世界的に著名な横井先生をお招きし、講演会を実施した。ゼオライトの分類、性質、活用の基本から紹介がなされ、異分野研究者にもわかりやすく特性を説明したのち、ゼオライト内のAlの位置制御方法、Al周辺環境の制御によるメタノールへの新規酸化技術など、最新の成果について説明がなされた。さらに、CO2やバイオマスの変換に有用な触媒として、金属をゼオライトに組み合わせた触媒による反応例を挙げ、サステイナブル社会へのゼオライト材料の貢献について説明があった。最後に、社会実装の例として、ご自身が取締役をしておられるベンチャー企業でのゼオライト活用反応をご紹介頂いた。

◆マイクロリアクター研究が導く高速合成化学

<講師>北海道大学大学院理学研究院化学部門  永木愛一郎 教授

合成化学の短時間化、高速化を念頭にフラスコでは合成不可能な高活性化学種を活用する独自の有機合成化学をマイクロフローリアクターを用いるフラッシュケミストリーで実現した。具体的には、C-F結合の活性化による、様々なフッ素含有化合物の合成法の開発や、異なるモノマーを一分子ずつ結合することによって、多彩なオリゴマーやポリマー構造を自在に合成する手法について紹介した。また、連続フローリアクターと、インラインNMRやインライIRを連結させ、AIを用いることで自律的に反応条件を最適化可能な反応システムの開発についても紹介した。