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ニッケル化合物を用いた簡便なシアノ化反応の開発-猛毒のシアン化物を用いないニトリル化合物の製造法-

官能基変換チーム 富永 健一 研究チーム長、根本 耕司 研究員らは、安価で入手容易なニッケル化合物を原料とする高活性なニッケル触媒の簡便な調製方法を開発し、この触媒を用いたオレフィン類の効率的なヒドロシアノ化反応を実現しました。
シアノ化反応は、原料にシアノ基を導入する反応の一つであり、医農薬品や機能性ポリマーの原料として広く用いられているニトリル化合物が得られます。しかし、この反応は空気中では取り扱いの困難な遷移金属錯体触媒が必要であること、ニトリル源として毒性の高いシアン化物を大量に用いる必要があることが課題となっていました。今回開発した触媒により、触媒量の削減だけでなく、触媒調製コストの大幅な低下も見込まれます。また、シアン化物に比べて毒性の低いアセトンシアノヒドリンをニトリル源として用いることができるため、低コストでクリーンなニトリル化合物の製造法への貢献も期待されます。

詳細:産総研ホームページ
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160323_2/pr20160323_2.html