第97回講演会 北海道大学 吉野達彦准教授、名古屋大学 荘司長三教授
イベント名 | 第97回講演会 北海道大学 吉野達彦准教授、名古屋大学 荘司長三教授 |
---|---|
期日 | 2023.08.04 |
詳細 |
産総研触媒化学融合研究センターでは、様々な分野で活躍している大学、公的研究機関、企業等の方々をお招きして、講演会を開催することで分野の垣根を越えた連携の実現を目指しています。 日時:2023年8月4日(金)15:00~17:00 講演概要: 15:00~16:00 <講師>北海道大学大学院薬学研究院 吉野達彦 准教授 有機分子の炭素–水素結合を直接的に望みの官能基へと変換する、いわゆるC–H活性化/C–H官能基化は、アトム・ステップエコノミーに優れる有機合成反応として世界中で研究が進められている。我々はCp型配位子を持つ3価のコバルト・ロジウム・イリジウム触媒の高い触媒活性に注目し、それらを用いた様々なC–H官能基化反応を開発してきた。本講演では、特に最近取り組んでいるキラルLewis塩基やキラルカルボン酸を利用した不斉C–H官能基化反応や、電子不足性Cp配位子を導入した触媒によるC–H官能基化反応について発表する。またDFT計算による反応機構解析や不斉触媒の設計についてなどの最新の研究についても合わせて発表したい。
16:00~17:00 <講師>名古屋大学大学院理学研究科 荘司長三 教授 長鎖脂肪酸水酸化酵素のシトクロムP450BM3(P450BM3)は、長鎖脂肪酸と構造が大きく異なる基質を水酸化することはできない。我々は,P450BM3がカルボキシル基をもつ化合物を積極的に取り込む性質を利用して、P450BM3を誤作動させるダミー(擬似)基質(デコイ分子)という新しい概念を提案した。デコイ分子は、それ自体は酸化されないが、基質結合部位に取り込まれるカルボン酸の一群である。デコイ分子とベンゼンなどの小分子基質が同時にP450BM3の基質結合部位に取り込まれると、誤作動により酵素のスイッチがONの状態になり、小分子基質の水酸化が可能となる。ジペプチド誘導体をデコイ分子として添加することで、これまでに報告されたすべてのP450によるベンゼンやプロパンの水酸化活性を凌駕する活性を実現した.。
|
備考 | 【問い合わせ先】触媒化学融合研究センター担当:白川TEL:029-861-2763 |