イベントレポート

第81回講演会 九州大学 徳永信教授

講演会名 第81回講演会 九州大学 徳永信教授
開催日 2019.12.17
開催場所 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603)
参加人数 27名
概要

◆担持貴金属ナノ粒子のソフトルイス酸触媒機能と吸着脱硫機能
-臭い焼酎をバラの香りに変える-

九州大学大学院理学研究院化学部門 触媒有機化学研究室
徳永 信 教授

本講演では、大きく分けて、「ソフトルイス酸触媒の担持貴金属ナノ粒子触媒への展開」と「金触媒による硫黄化合物の除去」の2つの研究テーマに関する最近の成果について約一時間お話しいただいた。

一つ目のテーマでは、これまで均一系触媒では多くの反応例がある、アルキンやアルケンのπ電子を活性化するソフトルイス酸触媒に対して、分離・回収が容易な担持貴金属ナノ粒子触媒を用いて成功した反応例をご紹介いただいた。具体的には、0価の貴金属ナノ粒子もルイス酸として機能し、例えば塩化物フリー、酸フリーのワッカー酸化を実現した例を示された。

二つ目のテーマでは、シリカに担持した金ナノ粒子触媒を用いて、日本酒に含まれる劣化臭(老香)の原因となる硫黄化合物(ジメチルトリスルフィドなど)を熟成香や吟醸香を損なわずに、選択的に除去できることを示された。さらに、泡盛や芋焼酎などクセのある焼酎の香りは、Au/SiO2触媒と混ぜることで劇的に変化し、バラの香りなどに生まれ変わることもご報告いただいた。