イベントレポート

第79回講演会 東京大学 寺尾潤教授

講演会名 第79回講演会 東京大学 寺尾潤教授
開催日 2019.11.08
開催場所 産総研第5事業所第2本館第4会議室(5-2-6603)
参加人数 21名
概要

◆分子建築学を基軸とする超分子型分子素子の開発

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻
寺尾 潤 教授

演者はかつて,有機ケイ素化合物を含む広範な脂肪族化合物を合成する革新的な触媒技術を創出し,多大な実績を残されている.その有機化学研究の豊富な経験を基に,新たに環状分子で包接されたπ共役系導電性分子の創出と応用研究に挑戦し,多くの優れた成果を挙げている.具体的には,π共役系導電性分子同士の相互作用を防ぐことによって,一分子単独の物性を巧みに利用できる新たな有機機能材料の開発である.たとえば,従来の方法論とはことなる分子連結法の提案,高機能センシング材料開発がある.本講演会では,本講演者の学生時代の研究成果から,最新の成果について時系列にそって説明いただいた。加えて、本研究の新たな展開として,一酸化炭素センサーへの応用例,および医療デバイスへの応用に関する研究をご発表頂いた.本講演者の研究に対する高い熱量およびその成果に裏打ちされた講演は、会場からも賞賛,感嘆の声が上がるほどであった.触媒技術に裏打ちされた有機材料開発の経緯は大いに参考になるものであり,触媒センター職員等にとって十分に実りある講演会の場となった.